まつや
taromatsumura, 2004.09.08 13:24 [ Today ]
神田もまたそば屋の老舗が集まっている場所だけれど、実はやぶは行ったことがない。行ったことがない方に行けばいいものなんだけれど、何となくまつやに入ってしまうのだ。大通りから斜めにまっすぐ延びる道沿いにあるまつやは、まわりの風景とはちょっと違う、「そこだけ江戸時代」感を漂わせている不思議なたたずまいになっている。
まあお昼時に入って、大ざるを頼んで食べて出てくる、と言うだけなんだけれども、あのまつやの店内の一体感というか、連帯感というか。毎度のこと何とも言えない懐の深さを感じてしまうのだ。
まず店に入ってからのテーブル・マネジメントの的確さに驚かされる。どことどこを相席にしておけばいいか、あるいは席を退く直前の人をあらかじめ先読みして、「あそこの席にお通しします」と予告というか宣言をしているのだ。
まあ僕は今店の中に入ったばかりだけど、店員さんはそれまでもずっと店内にいたんだから、どのくらいのペースで食べているか、だとか食べ終わってから一呼吸し終わっているかどうかくらい分かるのかもしれない。それもちょっとスゴイとは思うんだけれども。
席に通される話の前に書くべきだった話は、お客さんが店に入ってきたときのかけ声(?)だ。何とも言えない独特の、でも心地良いトーンで「いらっしゃいませ〜」と迎えてくれる。店員さんによって微妙に声のピッチが違っていて、重なるとまた違った和音を奏で始める。
これに加えて、そばをすする音。ざるそば、そばとろ(とろろのもりそば)、温かいそばといったそばの種類や、食べている人によってまた違う音が聞こえてくる。しかもこの音は基本的に店中から鳴り渡っているのだ。
ふと気付いてみると、「いらっしゃいませ〜」の声とそばをすする音のループによって、アンビエント・ミュージックができているんじゃないか、と思い始める。こうなると、それぞれの音の要素にパターンを見いだし始めるし、面白くて仕方なくなってくる。
店の中での一体感や連帯感というのは、アンビエント・ミュージックを奏でるオーケストラの一員としてのものだったのか。気付いた頃にはそば湯も飲み終わり、江戸の音楽小屋からトーキョーの都会へ戻っていくのでした。

やっぱり冷たいおそばを食べたい!と思ってそば屋に行くんだけれども、気を抜くといつの間にか温かいおそばを注文したり。松屋ではちゃんと冷たいのを食べました。
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