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ミッドナイト・スカイ

taromatsumura, 2006.04.23 03:57 [ Today ]

Tokyo Sky Diver #01

 新宿パークハイヤットからひっそりと静まりかえったトーキョーの街を見下ろしていると、なんだかとても落ち着く自分に気づかされる。もちろん真っ暗にはならない。真下を見下ろすとクルマがひっきりなしに行き交ってはいるけれど、その台数は昼間の渋滞して真っ赤になっていたそれとは全く比べものにならないほど少ない。

 街の中も生活の明かりはほぼ全て消えて、ビルの輪郭を示す赤いランプの点滅が所狭しと並んでいる様子だけが浮かび上がる。確かに長野の八ヶ岳に比べたら断然明るいけれども、トーキョーに生活している身からすると、この暗さは少し意外なモノだった。土曜日の夜くらいは、上空から見る限り、人はひっそりと息を潜めて休んでいるのだな、と感じさせてくれるトーキョーの様子は、ちょっとした落ち着きというか、安らぎみたいなモノを与えてくれる。

 パークハイヤットから新宿駅の方向を見ると、かろうじて判別できるドコモタワーとその背後に広がる真っ黒で広いスペースに目がとまる。新宿御苑から明治神宮、代々木公園にかけて広がるグリーンスペースである。かつて帝都復興計画の通りに造園されたトーキョーのセントラルパークは、今でこそ少しずつ緑が削られたり分断されたりしてはいるモノの、それでもやっぱりセントラルパークの名に恥じない広さを誇っている。

 友人は朝家を出た瞬間のマイナスイオン欲が病みつきになって、代々木公園の裏参道のあたりのアパートに住み着いたそうだ。トーキョーの緑はそんな使い方も出来るけれど、そんな恵みがあるかどうかも分からないくらいに真っ黒に塗りつぶされた空間には、不思議と視線が吸い寄せられるようにずっと観察したくなってしまうようなチカラがある。もちろん何にも見えないんだけれども。

 2時間くらい眺めていただろうか。ぼんやりとトーキョータワーの右の地平線から真っ赤な大きな月が現れた。トーキョータワーと同じような色味は不気味とも言えるくらいだったが、すぐに雲の隙間に隠れてしまった。いったいあの月は何を伝えたかったのだろう。そんなことを目の裏に焼き付けたところで、睡魔に押しつぶされるのでした。

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