ひこうき
taromatsumura, 2007.04.18 16:07 [ Column / haraguro-penguin ]

ぺんぎんはとりだけれどとべない。
さすがのぼくもおなじぺんぎんだから、
とべない。
けれどもとんでいるいめーじだけはもっている。
ほかのとりがとんでいるところをみると
どうしてもしっとしちゃうけれど、
おおきなてつのかたまりのひこうきが
そらをとんでいるようすには
なぜかきょうかんしちゃうのだ。
僕らペンギンも一応、鳥の仲間である。鳥と言えば飛ぶモノだ、というのは僕らの間でも常識的なことだ。その常識的なことをしていない僕らが非常識だ、と言うことになるけれど、多分僕らの先祖は「飛ぶ必要がない」ということで、羽を飛べないように退化させてしまったのだろうか。歩くのが遅いから飛べたらどんなに移動が速かろうと思うけれど、僕としてはあまり飛びたいわけではない。
というのも、多分僕は高所恐怖症だからだ。あまり高いところに行ったことはないから、高いところから下を見下ろすというのがどんな感覚だかは想像がつかない。でもきっと怖いのだろう。それに僕は普段から地面でもよく躓いたり転んだりしてしまうのだ。もし高いところでいつもみたいに躓いてしまったら、そのまま下の方へ落っこちてしまうじゃないか。
そんな危険を冒してまで高いところに行こうとは思わない。とはいえ、もし僕が飛べるなら、別に高いところが危険だ、と決めつけはしていなかったのだろう、とも思う。まあだからといって飛べるようになるわけではないので、余計な期待を持たないようにしておこう。ごちゃごちゃ色々と考えをめぐらせている割には、意外とあきらめも良い方だ、と僕は思っているので。
最初に言ったとおり、飛べなくても鳥の仲間だ。空中に浮かぶようには出来ていないけれど、跳ねもあるし、ぱたぱたと羽ばたく仕草くらいは出来る。他の鳥が大空を飛んでいるのを見ていると、なんだか嫉妬したくなってしまうけれど、時々頭上を飛んでいく飛行機を眺めるのは好きだ。ごーという音がちょっと耳障りだけれど、羽を動かさずに滑るように飛んでいく。
飛行機が空を通るときに、僕は目をつぶって、両手を広げて大空を待っているのをイメージしてみる。空の上には行ったことがないけれど、なんだか爽快な気分になってくるから不思議だ。イメージトレーニングは他の誰よりもばっちりなんだけれども、飛べない、とあきらめている僕がいるわけで、世の中上手くできていないものだ。実は日本にやってくるときに、あの飛行機に乗ってきたらしいんだけれど、そのことはよく分からない。
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