花紙飾り
TOKYOTODAY - 今日のトーキョー » Today » 花紙飾り [NORMAL EDITION]
日本橋界隈に住んでいると、いろいろ驚かされることも多い。ふとしたところに史跡があり、江戸時代からの土地の記憶に触れることが出来、正月、神田明神大祭、べったら祭りなど、ちょくちょくそれが表出して、無機質に見えるオフィス街が突如として活気に溢れる。それと同時に、コンビニの多さにも驚かされる。
コンビニなんて駅前にいくつかのチェーンが数店舗あれば十分だと思っていたけれど、日本橋では事情が違う。オフィスがびっしりと建ち並ぶ中に最近住宅が出来たような場所なので、コンビニの数も昼間のピーク需要をまかなうだけの店舗数あるのだ。夜にしか帰ってこない僕からすると、同じチェーンでも大通りを挟んで向かい側にあったり、1ブロック半歩くと再び巡り会ったり。
さすがに24時間をやめて、夜は地域の拠点の店舗に人を集める、という方策でも採った方がいいんじゃないか、と思うくらい、ちょっとした無駄に申し訳ない感覚すらある。けれども商品は意外と品切れのモノも多かったりして、まあ良くできているという所だろうか。
そんな祭り気質が残るエリアのコンビニだから、と言うわけではないが、コンビニの自動ドアに紙で作った花飾りがあしらわれていた。幼稚園から小学校の中学年あたりまでの間、毎年作らされていたあれである。あの花が紅白交互に、自動ドアを取り囲むようにして、店の入り口を飾っているから、普段と違う風景だ。おめでたい? というよりは拍子抜けする感覚、というか。
その盛り上がっている自動ドアを通り抜けて店内に入ると、店内には人が溢れていた。何だろう?と思っては行ってきちゃった僕と連れみたいな仕事帰りの夫婦もいれば、ウォーキング途中の女性、割としっかり酔っているサラリーマンまでひと揃い。みんなあの「盛り上がる自動ドア」をくぐり抜けて入ってきたかと思うと、店内のフィーバー感も高まってくる。
ちょうどレジ対応に追われる店長にちらっと話を聞いてみると、明日から700円お買い上げごとにくじが引ける、というキャンペーンが始まるのだそうだ。前回のキャンペーンはこんな装飾してなかったのに、と思いつつ、前日から仕込んでいたらこの盛況ぶりには、ぜひ手応えを感じるべき所なんじゃないか、と思ってしまった。あんなオーソドックスな装飾で入店客が増えるんだったら、時々日常的にやればいいのにね。
ということでちょっとしたコンビニスイーツを買って出ようとしたその瞬間である。別に普通の自動ドアが開く音なんだけれど、ファンファーレでもなったかのような、盛り上がった退店の瞬間!花飾りのゲートを、運動会でくぐるような感覚を覚えてしまった。あるいは、特に経験はないけれど、何かを受賞した感覚。
確かにこれは、集客に効果がありそうだ。
