枝付きの枝豆 #中野魚せんで旬
「枝に付いているから枝豆なんでしょ?」
至極当たり前に聞こえて言葉遊びにもならない話ですが、枝付きの枝豆を楽しむチャンスはなかなかない。自分で育てたり、枝付きで枝豆を買ってきても、これごとすっぽりと入る鍋がなければ、結局豆を枝から1つずつ切り離して茹でることになるわけです。
枝付きの枝豆には意味がある。
ちなみに、枝豆は、収穫してからどんどん鮮度が落ちていく。豆を切り離してしまうと、1日で当分が半減するとも言われているのだ。枝に付いたままの方が、葉や枝からの養分吸収で、鮮度が落ちるスピードを遅くすることができるそうだ。
運ばれてきたその日に、枝のまま茹でられた枝豆が、おそらく東京で頂く枝豆でベストな状態、というわけだ。
中野の魚せんで頂いた枝豆には、枝が付いていた。ここ5年冷凍物しか食べてこなかった僕にとっては、適度な歯ごたえと甘味を、程よい粗塩が引き立てる体験に、やられてしまった。ビールに枝豆、なんて良くいうが、ちょっとビールのことを忘れてしまっていた。
畑の脇で取れたての枝豆を塩ゆでするのが一番に決まっている。けれども、毎度5日程度の仕事が詰まった短い日本出張で、畑に行くチャンスはないのだ。
ちなみに、冷凍の枝豆については、そこまで悲観することはないと思う。前の話からすれば、生のまま保存しておくよりは、すぐに茹でて冷凍した方がおいしく頂けるはずだからだ。
きっと、アメリカの人たちは、枝付きの枝豆のうまさを知らない。
アメリカにいると冷凍以外のEdamameにお目にかかるチャンスはないが、とてもアメリカンなスーパーにも冷凍枝豆が常備されていること、高級スーパーのサラダバーでも枝豆が人気であることから、農業王国カリフォルニアの地の利を生かして、生の枝付きの枝豆を売っていても良さそうなものだ。
アメリカのスーパーで今度見つけたら、またお伝えしようと思います。